カメハメハスクール‐ネイティブハワイアンのための映画/テレビ業界向け人材育成プログラム
映画やテレビ業界の人材育成の場として、ハワイはあまり思い浮かばないかもしれません。しかし、ホノルルにあるカメハメハ高校の生徒は、ハリウッドを始めどこでも引っ張りだこです。同校の卒業生は、USC、チャップマン大学、ニューヨーク大学など、アメリカでもトップクラスの映画学校に進んでいます。また、VH1やMTVなどの企業で、プロダクションアシスタント、エディター、ディレクター、プロデューサーとして活躍しています。この学校の成功の秘訣はなんでしょう?それは、幅広いカリキュラム、実践的なプロジェクト経験、一流企業でのインターンシップのチャンス、そしてとことん熱心なスタッフなど、様々な要素の総合力です。
ネイティブハワイアンのためのカメハメハスクールのシステムは、1800年代後半、カメハメハ大王の直系子孫により、ハワイアンが生産的で経済的に安定した生活を築くために必要な教育を授けることを目的として設立されました。ハワイアン先住民は、ずっと貧困層から抜けられずにいますとビデオ制作インストラクターのPatricia Gillespieは説明します。当校は、数多くの孤児や貧困層の子どもたちを受け入れ、支援の手を差し伸べる努力を続けており、多くの生徒は奨学金を受けています。
映画学校はどこでもAvidを使っているため、システムの使い方を学んで卒業する当校の生徒には有利です。
今日、カメハメハスクールのシステムは、幼稚園・小・中・高校教育を3つのキャンパスで提供しています。学校の寄宿舎で生活する生徒もいれば、片道2時間半かけてバスで通う生徒もいます。オアフキャンパスだけで約3200人の高校生が学んでいます。高校クラスでは、様々な分野の職業コースに加え、大学進学準備プログラムも提供しています。さらにハワイ語やハワイ文化のクラスもあります。
実践的なビデオ制作
高校の充実したカリキュラムの中に、GillespieとアシスタントのJay Metzgerが担当するビデオプロダクション特別クラスがあります。初級ビデオクラスの生徒は、制作準備、制作、ポストプロダクションのあらゆる要素を学びます。最後の授業までに、生徒はオリジナルのミュージックビデオ、短編ビデオ、またはPSA(Public Service Announcement/地域情報)を完成させます。
生徒は、学校のスタジオやロケで、様々なカメラや機材の使い方を学ぶことから始めます。プロレベルのマテリアル作成に必要な脚本やコンテの基礎を学び、Avid Media ComposerとAvid Xpress Proソフトウェアを設備するメディアラボで、自分の作品を編集します。
Avidシステムの使いやすさから、生徒はすぐにプロジェクトの制作にとりかかることができます。映画学校はどこでもAvidを使っているので、大学に入る前にシステムの使い方を学ぶことができる当校の生徒には有利です。先頃、10台のMedia Composerを含むアップグレードを担当したGillespieは話します。
生徒は、ビデオ制作コースを繰り返し受講して、より高度なスキルを習得することができます。一般コースは、最大4つのセクションが同時進行します。Gillespieは、自信と誇りを持って生徒の作品を支持します。優秀なプロジェクトについては、地域や全国レベルのコンテストへ出品しますと、生徒が州、国、国際機関から受賞した賞や、World Indigenous Peoples' Conference on Education (WIPCE)やハワイ国際映画祭などのイベントで上映された作品などを挙げて話します。
カリキュラムは、最新技術に後れることなくコンスタントに変更されます。DVDの焼き方、ウェブへビデオをアップロードする方法など、学ぶことは数多くあります。
生徒が巣立つ前に知っておくべきスキルを身につけられるように、私たちは常に先を見て、教えるべきスキルを考えていますと、Gillespieは話します。彼女は、Media ComposerのScriptSync機能をカリキュラムで使ってみたいと意欲満々です。このスクリプトベースの編集ツールは、音声記号インデックス技術を用いてテキストとメディアを自動的にシンクし、スクリプトのラインと整合するクリップやショットを素早く、簡単に呼び出します。これは、長尺のドキュメンタリー作品には特に最適なツールです。
全て生徒が制作するデイリービデオ放送も、新たに学んだスキルの習得と実践に役立っています。5~10分のこの放送は、テレビモニターを通じて毎朝学校中で放映されます。ニュース、特集、PSA、天気予報に加え、サーフィン情報なども伝えます。放送は、スタジオとコントロール室を始め、プロの放送環境を模倣したワークフローで制作され、生徒は生放送の現場を肌で感じることができます。設備には、Dekoオンエアグラフィックスシステムも含まれ、天気予報やサーフィンレポートのオンスクリーンテキスト生成に使用されます。課外時間には、さらに実践学習が行えるビデオクラブもあります。
カメハメハ高校は最高の学校です。学校の設備やそこで得たネットワークは、私に必要な経験を与えてくれました。カメハメハでの経験がなければ、今の私はありません。
学校のインターンシッププログラムは、特に注目に値します。地元テレビ放送局や、ハワイで撮影される人気番組「Lost」などで働く機会が生徒に提供されます。一般的に生徒は、様々な部署を回って幅広く経験し、仕事に就く準備をすることができます。
実社会での成功
Randel Jimは、最近の代表例です。カメハメハ・カパラマ高校の2006年度卒業生Jimは、現在、プロダクションアシスタントとしてロサンジェルスで働いています。彼女は、Knight Riderのパイロット番組であった路上のソリストや、South of the Border、トロピック・サンダー/史上最低の作戦などの映画制作に参加しました。映画やテレビ業界において、このような短い時間でキャリアを築くことができたのは、カメハメハ高校での経験が大きいと彼女は確信しています。
高校2年の時、Gillespie先生のクラスを受けました。クラスは、ケーブル、カメラ、そしてAvid編集システムを学ぶことから始まりました。次に外へ出て、撮影を始めましたと彼女は説明します。アシスタントのJayは、様々なカメラアングルを見せてくれたり、コマーシャルスポットやPSAをAvidシステムでどのように編集するのかを見せてくれました。その後、私たちは、ビデオやドキュメンタリー制作を学びました。
2年生の2学期、Jimは少年サッカーチームのビデオを撮りました。このビデオは、全国レベルの学生映画祭で賞をもらいました。プロ的に作ったところが、審査員に受けたのかなと思います。ニュースキャスターを加えて、フッテージは素早く、アクション満載に仕上げました。この作品は、ハワイ国際映画祭の学生ショーケースでも上映されました。
In3年生の時、JimはカメハメハスクールWIPCE代表団の学生ビデオグラファとして、Aotearoa(ニュージーランドの現地名)へ旅行する機会を得ました。彼女は、3年生の残りの時間を、32分間のドキュメンタリーの脚本と編集に費やしました。このドキュメンタリビデオも、地域及び全国レベルの賞を受賞し、ハワイ国際映画祭で上映されました。
そして、「LOST」の制作に関わるインターンシップという大きなチャンスが彼女に訪れました。この学校から2人の生徒が「LOST」のインターンとして初めて働くことになりました。彼女はその1人として、制作オフィスでの3ヶ月間に続いて、セットで3ヶ月間働くチャンスを得ました。オフィスで基礎を学んでいたので、セットに出た時には制作の流れが分かっていましたと彼女は話します。Loyola Marymount大学で学ぶためにロサンジェルスへ移り、プロダクションアシスタントになったことは、高校のインターンシップから続く自然な流れでした。「LOST」で業界への道が開けました。そこで得たコネクションや友人が、ロサンジェルスの人間に引き合わせてくれましたと彼女は言います。
今のキャリアを歩み始めるには、高校の厳しい授業と豊富なプロジェクトを実践できたことが不可欠だったと彼女は確信を持って言います。カメハメハ高校は、最高の学校です。学校の設備やそこで得たネットワークは、私に必要な経験を与えてくれました。カメハメハでの経験がなければ、今の私はありません。
クレジット:カメハメハスクール アドバンスビデオ制作2006

