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今回のPro Tools | Carbonは私の行いたかったほぼ全てのことを叶えてくれる製品でした。

制作を行う上でさまざまなツールの選択肢が出て来ている現代ですが、レコーディングを行う上ではやはりPro Toolsはレコーディングスタジオでの王道です。

それはサウンドクオリティから始まり、DSP処理による群を抜いた安定性、業界標準と言われるほどのスタジオでの浸透率。つまり、どこのスタジオで作業してもそれを別のスタジオに持って行ける互換性の素晴らしさ。

これら全てを当たり前にクリアしてくれるのがPro Toolsシステムです。

この当たり前を叶えるためには、高品質なI/Oやそこに送る前の信号を増幅するためのマイクプリアンプ、DSP処理の要であるチップ、そして正確に音を判断するためのモニターコントローラーなどが必要な訳ですが、Pro Tools | Carbonはその全てがオールインワンです。

 

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マイクプリアンプ、モニターコントローラー、4人分のモニター用ヘッドホンアンプ、遅延を回避できるDSP処理、それら全てを接続するケーブル。

これらをもって移動するとなれば車なしでは考えられませんでしたが、Pro Tools | Carbonは1U。歩きでも電車でも手軽に移動できてしまいます。

今までは上記の機材を個別に組み合わせ、なかなか他のシステムでは見ることのないDigiLink ケーブルやDSPカードを認識させるための外部シャーシなども必要でした。全国DigiLink ケーブルを販売している家電量販店はほとんどないでしょうが、今回のPro Tools | Carbonでは、もしもの時はLANケーブルを全国どこでもすぐに調達することが可能です。

安定性を求める上でのPro Toolsでもある訳ですから、こういった緊急事態に対応できるところも意外と大きなポイントで嬉しいところです。

今回コロナによって一気に加速した業界内の変化がありますが、私は何年か前から、こういった状態には近い将来必ず大きく変化していくだろうと思っていましたので、色々と実験をしていました。

元々ある程度は移動のしやすい形も準備していこうと思ってはいましたが、何かを達成するためには何かを我慢しなければいけないジレンマをどう解決するか、よく考えていました。

Mixを行う上ではコンピューターの性能が上がってきたことにより以前に比べて格段にできることが増えてきて、以前はDSPを使用して処理しなければパワーが足りなかったプラグインもたくさん挿せるようになりましたし、トラック数の制限なども拡張されてスタジオ以外でも行えることがかなり増えましたが、レイテンシーに関しては演奏のやりやすさ、つまりMix素材そのもののクオリティーに直結しているわけですから、プラグインや編集で後から補正をするのではなく、とにかく良い演奏を余すことなく録る上でマストな条件です。

これをわずか1Uで叶えている訳ですから、有り難い限りです。

縁あって音楽大学でレッスンを行っている日もあるのですが、今は世界中で大きな変化をしている時期だと思いますので、そういったタイミングに起こるチャンスを掴んでいける力を自分も含めて培っていければとよく思います。

色々なことを伝えていく際に学内にあるPro Tools | HDXシステムでは外部の大規模商業スタジオと同様にレコーディングを体験していくことができますし、今年度別途導入されたPro Tools | Carbonシステムにより、配信やホールなどさまざまな移動環境にも対応可能になり、このコロナ禍で広がっている仕事の多様性に、卒業後も対応しやすくなったのではと思います。

未来を作っていく後輩たちと一緒に研究をしていく上でもCarbonであればリアリティーがあります。

ミュージシャン目線でも宅録環境をトータルでアップグレードできる選択肢になってきますし、最大の利点の一つであるレイテンシーストレスから解放されるのはこの上ないことでしょう。フットスイッチを使用して自身でパンチイン作業ができるのも嬉しいポイントではないでしょうか。私も少しだけ楽器で遊んだりするのでとても楽です。2千円くらいでひとりパンチイン導入できます。

このようにPro Tools | Carbonは各方面に最高のパフォーマンスを提供してくれるので、気分も上がりご機嫌です。
ぜひみなさん体験して楽しんでみてください。



齋藤 粋生氏 プロフィール
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Sharing of Sound 代表
サウンドプロデューサー・エンジニア

自身の曲をレコーディングしてもらっているうちに空間を作る楽しさにのめり込み、エンジニアの道へ。
大学在学中よりPA、マニピュレーターとして全国ツアーに参加し、その後レコーディングスタジオへ。

これまでに萩原健一、加藤登紀子、シシドカフカ、DIV、Philip woo、Ralrh Rolle、Ashton moore、Little Lounge Little *Twinkle、 Les Freres、中山貴大、映画『TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ』、ドラマD×TOWN”スパイ特区”、サムライ・ロック・オーケストラ、などにRecording・Mixingエンジニア、SRオペレート、マニピュレーターとして関わる。

洗足学園音楽大学 講師