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翌日には使用開始

毎年沖縄県久米島で行われてきた東北楽天ゴールデンイーグルスの春季キャンプは、新型コロナウイルス感染拡大 の影響により、2021年より沖縄県の金武町に場所を移しています。宮城県仙台市の株式会社仙台放送にとって、この春季キャンプの取材は毎年の重要な仕事の一つです。

「これまでは、キャンプ取材用に機材一式をレンタルしていました。外付けHDDに保存した撮影素材をPCにインストールされたMedia Composerで編集した後、伝送システムを使って本社に伝送していました。しかし、今回希望していたマシンが借りられず、また物理的な輸送にはコストもかかります」(株式会社仙台放送 技術局 映像制作部 西崎 光一 氏・以下同)

そこで西崎氏はEdit On Demandのことを思い出しました。Avid | Edit On Demandはクラウド向けに最適化されたMedia ComposerソフトウェアとAvid NEXISストレージを備えたSaaSパッケージであり、希望するMedia Composerの台数とAvid NEXISの容量を決めるだけで、月額のサブスクリプションでクラウド環境を使うことができます。Avidでは、2021年5月から2週間の無償トライアルの受け付けを開始していました。

「Edit On Demandは以前から知っていて、一度使ってみたかったのです。例えば番組で編集システムを一時的に増やしたいということはよくあり、そのような状況ではEdit On Demandはとてもいいシステムだと思っていました。そこに今回のキャンプ取材とEdit On Demandのトライアルがあり、いい機会なので試してみたいと思いました」

販売代理店である伊藤忠ケーブルシステム株式会社に相談し、トライアル使用の申し込みをしたのは2022年1月31日。翌2月1日にはEdit On DemandのアクセスURLが届き、すぐに使用を開始することができました。

 

PCとU2さえあれば何も要らない

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沖縄・キャンプ地の共同の仮設編集室

 

沖縄で取材をした映像素材は、Edit On Demandに含まれるアップロードツール・FileCatalystを使ってクラウド上に転送します。

「いわゆるFTPツールのような簡単さで、Webブラウザーに表示されるローカルの素材を選んで『Upload』ボタンを押すだけです。『こんなに簡単でいいのか』と思いました」

その転送速度も目をみはるものでした。

「これまでは他社製の転送ツールを使っていたのですが、それと比べても非常に高速です。さらに、ファイルを大量に転送する場合でも、1つのファイルが転送されたらすぐにMedia Composerで取り込みを開始でき、その間も別のファイルを転送し続けられるので、アップロード時間はまったく気になりませんでした」

アップロードされた素材をもとに、 そのままクラウド上のMedia Composerで編集を開始します。

「そのために持っていったのは、5-6万円の小さなノートPCだけです。最初は編集担当スタッフにも『これで編集できるの?』と不安がられましたし、私も経験がなかったので、パフォーマンスが足りなかったときのことも考えてレンタルした機材も一緒に持っていきました」

 

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実際の編集に使用した機材

 

しかし、その心配は必要ありませんでした。

「現場で編集した担当スタッフは『いつもの編集機と変わらず、編集中の違和感はまったくない』と言っていました。結局、『明日もあさってもこれを使いたい』とのリクエストで、2月7日から11日までのメインのOA素材はすべてこれで編集しました。PCと(XDCAMドライブの)U2さえあれば、他には何も要らないのです」

 

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(入り口を挟んで右)他局の持ち込み機材(左)仙台放送の機材

 

編集が完了したら、クラウド上のAvid NEXISストレージに完パケをエクスポートし、仙台側でそれをダウンロードします。

「本来ならここで伝送なのですが、ファイルはすでにクラウド上にあるのでその必要はありません。今回のトライアルではクラウド上にMedia Composerを2台置いたのですが、そのもう一台の方を仙台で開いて『あぁ、ここまで出来たんだな』と確かめたりもしていました」

 

本当にとてもいいシステムでした

このトライアルの経験は、さまざま な人にインパクトを残したようです。

「興味深かったようで、社内でもいろいろな人が来て見ていきました。若手のスタッフたちは完パケのダウンロードを積極的にやっていました。面白かったんだと思います」

もちろんそれは、西崎氏にとっても同じです

「仕事のやり方を変えられる、素晴らしいシステムだと思いました。例えば特番や単発について、オペレーションをお願いする人が社内にいないことがあります。ロケが東京と仙台で、編集が仙台、などという場合、これはとても有効だと思います。物理的な設置が必要ないので工事コストも工事期間も必要なく、必要なときだけ使って、終わったら契約を止めればいい。固定資産にならず運用費でカバーできるので、費用管理的にも楽です。個人的には、固定で必要な数台だけを会社に残して、あとはすべてこれにしたいくらいです」

より大きなビジョンとしてのDX化への取り掛かりとしても、積極的に活用できそうです。

「例えば系列がこのようなシステムを持っていてくれたら、素材をクラウドに送り込み、あとは自由に編集してもらえばいい。今回のように実際に使うのがキャンプ期間だけなら、その期間だけクライアントやストレージのサイズを増減すればいいのです」

 

トライアルを終了したあとの感想として、西崎氏はこのように付け加えました 。

「本当にとてもいいシステムでした。未来を体感できたような気がします」