Pro Tools Sketch 1862x1040

Pro Tools Sketchは、Pro Toolsの新しいノンリニアなクリップベース・クリエイト・ウィンドウです。無料のiPadアプリとしても利用できるため、Pro Toolsがない環境であっても、インスピレーションが湧いたその場所でアイデアをキャプチャして再生でき、そのSketchデータをPro Tools 2023.9(以上)でそのまま開いて曲をフィニッシングする事が可能です。Pro Tools 2023.9ソフトウェア・リリースの一部であるSketchは、Pro Toolsの音楽制作ワークフローを大幅に拡張したもので、Pro Toolsで定評のある世界クラスのレコーディング、編集、ミキシングツールにアクセスしながら、まったく新しい方法でループやアレンジを簡単に試すことができます。

 

コードネーム: SOPHIE(ソフィー)

Avidが開発する、すべての製品プロジェクトにはコードネームがつけられており、Avidオーディオ・プロジェクトのコードネームは、有名なミュージシャンの名前やニックネームから選ばれることがよくあります。これは、私が最初にチームに加わったDigidesign時代から始まりました。私がこのプロジェクトのコードネームを選ぶ際には、尊敬するアーティストの名前がすぐに思い浮かびました。 

今回のこの取り組みをコードネーム「SOPHIE」と名付けたのは、音楽制作ツールとプロセスのクレバーでインスピレーション豊かな使い方で、ポップミュージックとダンスミュージックのまったく新しいエキサイティングなサブジャンル誕生のきっかけを創ったソフィー・ジオン(1986年9月17日-2021年1月30日)にちなんだものです。ソフィーのキャリアをフォローしてきた私は、音と創作に対するその特異なアプローチが、この旅をナビゲートするのに最適な指標として位置付けられたものだと考えたのです。

 

アイデアのための遊びのスペース

Pro Toolsは、私の立場からの意見では、市場で最も多くの機能を備えたオーディオ編集ソフトウェアです。Pro Toolsは、隠された強力な機能がたくさんあり、信じられないほど奥が深く、経験豊富なPro Toolsユーザーが操作するのを見るのは、世界クラスのバレエを見るのに似ています!Pro Toolsで録音、編集、ミキシング、アレンジといった作業を実行する際、そのツールの使い方を知ることによって、すぐにさまざまな制約から解放されたと感じる事でしょう。一方で、現代の音楽制作を完全なものにするためのワークフローの1つ、つまり音楽、サウンド、アイデアをゼロから作成するために必要な要素に関しては、物足りない部分もあったかもしれません。そこで今回、そのギャップを埋めるため、編集ウィンドウとミックスウィンドウに新しい仲間が加わったのです!

アイデアを生み出す遊びのスペースが必要でした。目指したのは、即座にノンリニアな実験を可能にする、砂場やおもちゃ、アイデアの火花をスパークさせ、何か面白いアクシデントを起こすようなものでした。ループ、サンプル、MIDI、エフェクトを音楽のコンテキストで組み合わせて、アイデアを形成していきます。普段、コンピューターの前に座り目的を持って音楽制作するユーザーが、突然のひらめきに、うっかり声を出して笑う姿を想像しました。

この機能を、Pro Toolsらしくないと考える人もいるかもしれませんが、確かに、これは何年も前に多くの小さくて目立たないステップとして始まった旅の1つのステップではありますが、現代の楽曲制作においてはメジャーな手法となっています。私たちは、創造を促進する環境、つまりプロダクションのすべての段階のエコシステムを作りたいと思っていました。この瞬間に至るまで、何年にもわたって更新された多くの機能が役立ってきました。シンプルで小さな機能から、再生を止めない音楽制作、MelodyneARA統合によるピッチとタイム操作、クリップエフェクトを使用したクリップベースのワークフローの導入など、より複雑なプロジェクトに至るまで、これらすべてがPro Toolsのまったく新しいワークフローへの道を開いてきたのです。そして、今回のSketchウィンドウ登場により、アプリケーションで音楽を構想から完成まで行うことができます。この情報を遂に共有することができて、とても嬉しく思います

Pro Tools Sketch window
Pro Toolsの新しいSketchウィンドウ

完全なオーディオ作成エコシステム

Pro Toolsにノンリニアのクリップ・ベース・ワークフローを導入することに加えて、モバイルでの制作環境をユーザーに提供したいと考えていました。そして、このプロジェクトで採用したアプローチにより、両方を同時に達成することができたのです。プラットフォームにとらわれないサンドボックス設計を構築することで、Pro Toolsプロセス内のウィンドウとしてSketchを実行するだけでなく、スタンドアロン・アプリとしてiPadで個別に実行できるSketchを構築することができました。外出先でモバイルアプリを使用して作成したり、Pro ToolsでSketchウィンドウを使用して直接アイデアを出したりできます。Pro Toolsでは、セッションファイルがない状態でも、Sketchウィンドウを開いて再生する事が可能なのです!

iPadで制作する場合、SketchファイルをPro Toolsに取り込むだけで、強化されたワークフローとより大きなオーディオ・クリエイト・エコシステム上で、より豊富なツールセットを使って作業を続けることができます。Sketchウィンドウは、無料のPro Tools Introにも含まれているため、どなたでもアクセスできます。新しいPro Tools Sketchウィンドウとモバイルアプリの操作性とユーザー・インターフェースはほぼ同じですが、最大の違いは、Pro Toolsとデスクトップ上で行き来して作業できるかどうかです。

Sketchドキュメント(.ptsketchファイル形式)はPro Toolsセッション・ファイル(.ptx)とは別に管理されるため、どのセッションでもいつでも開くことができます。これにより、複数のセッションから同一のSketchファイルにアクセスすることも可能なのです。個人的には、Sketchウィンドウはサンプルのコレクションを整理するための本当に素晴らしい方法だと思います!このウィンドウに独自のファイル形式を持たせることで可能になる、他の便利なワークフローをユーザーが発見するのを楽しみにしています。

Sketchの使い方についてのビデオをご覧ください。

Pro Tools Sketch ウィンドウの使い方(英語)

iPadでPro Tools Sketchを始めましょう(英語)

  


Pro Tools Sketch製品解説セミナー(日本語)

 

ほんの始まりに過ぎない

そして、これはほんの始まりに過ぎません!今回の最初のリリースは、アプリとウィンドウの両方の進行中の開発プロジェクトの始まりです。Sketchの可能性と機能は、シーケンサー、ノート生成ツール、追加のエフェクト、より多くのインストゥルメントなど、さらに創造的でパフォーマティブな機能を追加することで進化と改善を続けます。また、SketchをiPhoneやその他のモバイルデバイスにも導入する予定です。

また、モバイルアプリ用に開発した新機能を、Pro ToolsでSketchウィンドウを強化するために活用できるようにすることは当然として、デスクトップの方にはいくつかの追加計画があります。SketchウィンドウをAAXホストにしたり、メディアがSketchとセッションの間を移動する方法を改善するなど、さまざまなことを計画しています。

この機能を作ることは難しいながらも素晴らしいことであり、私は幸運なことに、これを構築した献身的なチームに恵まれています。

おめでとう SOPHIE!

デビッド
リードプロダクトデザイナー

 

利用条件

Pro Tools Sketchウィンドウは、Pro Tools 2023.9ソフトウェア・リリースの一部として、サブスクリプション、または永続版ライセンスで有効なソフトウェア・アップデート+サポートプランをお持ちのすべてのPro Toolsユーザー、およびすべてのPro Tools Introユーザーにご利用いただけます。Avid Linkからアップデートするか、Avidアカウントでもダウンロードできます。Pro Toolsのソフトウェア・アップデート+サポートプランを更新する必要がある場合、または最新バージョンに更新したい場合は、こちらのオプションをご覧ください。また、Pro Toolsを初めて使用する場合は、30日間の無料トライアルで最新バージョンをお試しいただけます。

このリリースの詳細については、Avidアカウントで利用可能な新しいドキュメントを参照してください。

ARA および Melodyne は Celemony Software GmbH の登録商標です。

David Cotton of Avid
David Cotton

David Cotton is a Lead Product Designer at Avid and the Sketch and ARA team lead

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